- 其の11
11、釣堀に行く
子供の頃は家族で野外に出かけることが多かったので、海で川でよく釣りをしたものです。
先日(季節は秋ね)友人と公演を散歩していたらそこに釣堀があったのでやってみた。親子で来ている人や、一人で来ている人や、様々だがプールみたいなところに釣り糸を垂らす光景はなんとも風情があり、私は可笑しくなってしまう。しばらく私も釣り糸を垂らしていたら、およそその場所に似合わない大学生らしき女子4人が入ってきた。きゃしゃなヒールや美しいフリルに、釣り道具とエサの入ったおわん。4人は2人ずつにわかれ、堀に対面するかたちで陣取ると早速釣りをはじめた。するとすぐに大きな声で対面ごしに会話もはじめた。しかも恋愛話。あの彼とはどうのこうの、バイトで知り合った彼とはどうのこうの...2人ずつにわかれて座ったのだから、となりの子どうしボソボソ話すと思いきや向こう側ににむかって話しているので私はまたまた可笑しくなってしまった。まわりの人達も苦笑している。彼がいないらしい女子は、せめて好きな人が欲しいと騒いでいた。
ところでこの間、私は一匹も釣れないのに彼女達はバンバン釣っていた。可笑しすぎる。よく来ているのだろうか?常連なのだろうか?きわめつけに、「あたし、魚を釣るのはうまいのよねぇ」と、彼がいない女子は言っていた。嗚呼っ!!

- 其の10
10、六本木“金魚”“香和”に行く
自ら足を運ぶことはなく、知人で足しげくここに通っている方がいて時々連れて行っていただく。
まばゆいばかりの衣装を次々と早替えし、時には挑発するように、時には諭すように様々の振りの踊りを魅せてくれる。ダンサー達はショーの終了後、お客様の席についてしばし接待歓談する。次のショーまでの間けして長くはない時間に、時世についてや、自分の生い立ちや、美を維持するためのことなど面白く話してくれる。生まれ変わるため?本来の姿を取り戻すため?の、手術...肉体的にも精神的にもとても大変なことだと思うが...人生の酸いも甘いも見てきたような瞳に、観客は引き込まれてしまうのだ。

- 其の9
9、四つ葉のクローバーをさがす
幼い頃は日が暮れても、見つかるまで時を忘れてさがしたものです。今は...自転車を止めたときにふと足元に見えるクローバーに、バスを待つ間アスファルトの割れ目に生えるクローバーに、駅までの道にところどころ住むクローバーに、一瞬でも目をやると和みます。

- 其の8
8、千羽鶴を折る
小学生の時、クラスの児童が入院したとのことで、「早くよくなるように皆で鶴を折りましょう」と先生の提案により一人何羽ずつか折った記憶がある。
最近では広島を訪れた際、原爆の跡地を歩き、そして祈念碑の前で一羽折って手を合わせつつ添えてきた。
でも実際ひとりで千羽を折ったことはない。これはセーターを編むのと同じ根気かしら...いやちゃんと何かを願うのよ!!と言いながら三羽ほど折ってみたところ。

- 其の7
7、臓器提供意思表示カードに記入する
これは母がきっかけ。「ねぇ見て、これに書いて持ち歩こうと思って」と、見せてくれた名刺サイズのこのカード。「使い古しの臓器でも何か役に立つかしら」と言ってウキウキしている。
裏には、『私は脳死の判定に従い、脳死後、移植の為に○で囲んだ臓器を提供します』とあり、心臓、肺、肝臓・・・、など○で囲むようになっている。これを待っている人たちがいることを思うとなんだかせつなくなってしまい私も書き込み所持している。

- 其の6
6、月光浴をする
月の満ち欠けにとても魅力を感じています。満月や新月のときに赤ちゃんが誕生したり、満潮に向かって陣痛が始まる例が多かったりと、月は人の生死にかかわる力があり、人の生体のリズムに関係すると聞いたことがあります。今宵も月の神秘を堪能しています。

- 其の5
5、シンクロニシティをうけとめる
よくあるので大事にしています。つい先日も夢の中にグウィネス・パルトロウさんが出てきて、なぜか私と彼女が親しげにしゃべってるのね。“恋におちたシェイクスピア”での彼女が素敵でヌードも美しかったので、「あなたのピンクの乳首がきれいよ」とか誉めてるのね、夢よ、夢の中でのことよ!!そして目覚めてTVをつけたら朝の番組にパルトロウさんが出てるのね。夢の中と同じ服を着てインタビューに答えてるのね。やっぱり素敵〜っとなんだか嬉しくなりました。

前にサガンさんが亡くなったと報道されたときも、“悲しみよこんにちは”の主人公のことを思い出していて、あれの最後は結局..と読み返そうとページをめくっていた矢先だったのよ。
注意深くしているわけではないけど、受け止めています。メッセージかなと思うときや不思議なこと面白いことは書きとめています。

- 其の4
4、図書館を利用する
以前は、本は迷わず本屋さんへ行って、立ち読みするなり購入するなりしていましたが、何気なく立ち寄ってからよく利用するようになりました。本屋さんに行くときには、新刊など手に入れたい本を求めてというかんじで以外と行動範囲が決まっているのですが、図書館だと、いろんなジャンルの本を手に取って、テーブルについて読んだり、またくればいいのだから、と、パッと決めて借りては返して借りては返して..います。普段お目にかかることのないような本もあり面白いです。

- 其の3
3、映画を見る
いやぁ、私、本当に映画が好きなのです!(ホラーとオカルトは苦手です、ごめん)時間のあるときはもちろんいっきに見るけど、たとえば、目覚ましより早く起きた朝に15分、夜眠る前のクールダウンに30分など、こま切れに見るのもけっこう好きです。続きはまたねというふうに...。映画を通して、他人の人生を垣間見ると、自分だったらどうするだろうかと考えさせられたり、すごくパワーをもらったり、思い切り泣けちゃったり。何より映画を見ている間、トリップできる感覚がたまらないのですよ。落ち込んだときは、DVDを衝動買いしてしまったり、めいっぱいレンタルしてきたり、録りためておいたものをここぞとばかりに見たりと、映画は私の必須アイテムです。やっぱりドラマティックな人生に憧れます。

- 其の2
2、 水に浮かぶ
泳ぐことが好きでよくプールに行きます。コースがひかれたプールでは、皆、前の人が出てから距離をとって----私はこれを、車間ならず、人間(ジンカン)と呼んでいる-----次の人が泳ぐ。マナーよく、それぞれ体を鍛えている。

今日はいつものジムとは違う、まわりを緑に囲まれた森の中のようなホテルのプール。夏の終わりだからなのか、人も少なく貸切気分。

懸命に泳ぐのが、もったいなく感じられ、真ん中でクロールをやめて翻ってみる。
チカラをぬいて浮かんでいると、葉のさざめきや蝉の声がきこえ、空に鳥が横切っていくのが見えた。------空のプールで鳥が泳いでいるみたい------
水に浮かぶと、体は羊水の記憶をたどり、風や木々は自然を奏で、私も宇宙の一個体であることを思い出させてくれます。