何かあったらすぐ電話やメールをするほどの仲でもなく、でもなんとなく続いてる人っていませんか？そう、一年に一度、年賀状でのご挨拶という関係。そのうち、出さなくなると、たぶんfade outしてしまうだろう、はかなげな関係。
実際、私にも、たくさんのフェードアウト、彼、彼女のその後はどうなっただろう人が、いる。いる。います。

先日、ここ２、３年、年賀状も出さずに失礼してしまっている、ご夫婦-----ふたりとも６０歳過ぎ。引退後、世界旅行を楽しんでいる。とても素敵な紳士淑女------に手紙を書きました。彼らとは、１０年？ほど前のスペイン旅行で出逢ったのですが、その日なんとなくつけていたTVに、そのとき見た場所が映っていたので、懐かしくなって思わずペンを執ったのであります。

「ご無沙汰しております。〜中略〜　またいつかお会いしたいものです。」

と、締めくくって。

スペインで一人旅だった私に、彼らはとてもよくしてくれて、最後にはアドレスを交換して、東京でも会いましょう、と、言って別れたのでした。その後、帰国してから一度だけ会い、それ以来、年賀状だけの仲になっていたというわけ。

「懐かしい貴女からのお手紙、嬉しく拝見しました。主人とスペインの話が出るたびに貴女のことも何度となく話題にのぼりました。その主人も２年前に他界し、世界旅行も、、、〜中略〜　人生に“またあとで”は、ないのです。貴女もやれるうちは色々なことに挑戦して下さいね。」

と、返事。

私はしばらく涙が止まらなかった。
お互いが、お互いの中に何を見出せるか、人との出会いは回数---時間---ではないのですね。

“またあとで”　この文字を、口に出してみた。